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抗 FcRn 抗体フラグメント製剤「ウィフガート®点滴静注 400mg」の国内承認

2022年1月20日にアルジェニクス社の抗 FcRn 抗体フラグメント製剤「ウィフガート®点滴静注 400mg」の全身型重症筋無力症に対する日本国内での製造販売承認が下りました。 抗FcRn抗体フラグメント製剤「ウィフガート®点滴静注 400mg」の全身型重症筋無力症に対する製造販売承認を取得 ウィフガートは、重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)の使用を前提としているようなので、今までの治療薬で効果が得られなかった方には、良いお知らせとなりそうです。 米国FDAでの承認が下りたのが2021年12月17日で、それから1か月程度で日本国内の承認も下りたのはかなりスピーディで、ドラッグラグ解消になりますね。 やはり、国際共同試験のおかげでしょうか。

第3相試験中のユルトミリスは、全身型MGの症状を緩和するのに役立ちます

 myasthenia gravis newsに、新薬の治験に関する報告が載っていました。 Ultomiris Helps Ease gMG Symptoms in Ongoing Phase 3 Trial ソリリスを提供しているアレクシオンファーマが研究開発をしている、ユルトミリス(ラブリズマブ)の第3相試験のトップラインデータによると、全身型MGの成人の症状の重症度を迅速かつ持続的に緩和することが出来たようで、日本を含めた複数の国で、承認申請の手続きの準備を始めたとのことです。 申請自体は、2021年中か2022年の早い時期を目指しているようですので、承認が下りるとして、申請から1年くらいかかるので、治療に使えるようになるのは2023年くらいになるでしょう。 ソリリスに続いて、全身型MGの治療薬が増えるのはとてもうれしいことです。 とはいえ、ソリリスと同様にモノクローナル抗体なので、薬の値段は高くなるのが、使用する際のネックになりますね。 一方で、8週間に1度の点滴で済むようなので、ソリリスに比べるとQOLは上がりそうです。

全身型MGで効果的かつ安全なバトクリマブの第2相試験の結果

 myasthenia gravis newsに、新薬の治験に関する報告が載っていました。 Batoclimab Effective and Safe With Generalized MG, Phase 2 Trial Finds 香港のバイオベンチャーであるHBMホールディングス(和鉑医薬控股有限公司)が開発している「バトクリマブ」は中等度から重度の重症筋無力症(全身型MG)に対する治験薬です。 第2相試験の結果は良好だったようで、バトクリマブは全身型MGの治療のために中国で画期的治療薬の指定を受けたということです。この指定は、治療法の開発と規制の見直しをスピードアップすることを目的としているそうで、第3相試験も今年後半に開始されるとのことです。 中国企業によるMG治療薬の開発というのは、今まで見たことが無かったのですが、中国の企業がMG治療薬を開発しているというのは、同じアジア人の日本人にとっては朗報かもしれません。 現時点では中国人を対象とした治験だけしか行われていないようですが、グローバル治験でなくとも、中国人を対象とした治験の結果は同じアジア人の日本人にも同程度の効果が期待できそうなので、第3相試験で良い結果が出ることを期待したいです。

ユプリズナのMG適応拡大のための治験

田辺三菱製薬のプレスリリースからの情報です 。 【新製品】「ユプリズナ」国内発売‐NMOSDの再発予防 田辺三菱製薬 視神経脊髄炎スペクトラム障害治療の新たな選択肢「ユプリズナⓇ点滴静注100mg」発売のお知らせ 田邊三菱製薬が国内販売を始めた、自己免疫疾患の視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)の治療薬「ユプリズナ」(イネビリズマブ)の重症筋無力症への適応拡大のためのグローバル第3相試験が進んでいるそうです。 MGと同じく自己免疫疾患であるNMOSDに効果がある薬なので、転用の可能性があるということですね。 モノクローナル抗体ということなのでお高い薬ですが、NMOSDに利用可能ということで、承認されているので、MGへの効果が認められてスムーズに適応拡大されることを期待しています。 NMOSDには半年に1回の投与で良いというので、MGも同じような投与で良ければ、患者のQOLがアップしそうです。

ニポカリマブは gMG の症状を安全に緩和

  前回に引き続いてニポカリマブについてのニュースです。2021年の米国神経学会でのプレゼンテーションの解説です。 #AANAM – Nipocalimab Safely Eases gMG Symptoms, Final Trial Data Confirm 進行中の標準治療に対する反応が不十分な、中等症から重症の成人68人に対して治験が行われました。結果として、試験の結果は良好で、重篤な副作用もなく、患者のMG-ASLスコアが改善しました。 前回の記事には書いてありませんでしたが、 「ニポカリマブは、FcRn と呼ばれる受容体分子と免疫グロブリン G (IgG) 抗体 (MG の発生を促進するものを含む) との相互作用を防止することにより、MG の根本的な原因に対処するように設計された抗体です。 FcRn-IgG 結合が IgG 分解を防ぎ、これらの抗体が血流に留まる時間を延長することを考えると、ニポカリマブは総 IgG および疾患関連 IgG 自己抗体のレベルを低下させ、最終的に MG の重症度を緩和することが期待されます。」 とのことです。 また、 「ニポカリマブの最高用量 (60 mg/kg) で治療された参加者では、IgG レベルが 80% 低下し、隔週で治療を受けたグループでも維持されました。IgG サブクラスおよび抗 AChR 自己抗体でも同様の減少が観察されました。 これらの効果は、MG-ADL スコアの用量依存的な低下と関連しており、疾患の重症度が低いことを示しており、これは患者の約 40% で最初の 2 週間以内に検出されました。これは、観察された IgG レベルの反応と一致しています。 特に、MG-ADL スコアで評価すると、IgG の減少は症状の軽減と有意に関連していました。」 とのことです。 モノクローナル抗体なのでお高いのでしょうが、患者の選択肢が増えるのはありがたいことです。はやく第3相試験が始まって、上市されるのが楽しみです。

Momenta Pharmaceuticals社が開発しているニポカリマブという新薬について

J&Jに買収されたMomenta Pharmaceuticals社が開発しているニポカリマブ、という新薬に関する2020年6月のニュースです。 Momenta Pharmaceuticals Announces Positive Topline Data from Interim Analysis of Phase 2 Vivacity-MG Study of Nipocalimab (M281) in Generalized Myasthenia Gravis (gMG) ニポカリマブはMGの治療のために開発されている薬で、2020年6月時点で第2相の治験が行われていたようです。 その結果、以下のような成果が得られたとのことです。 ----- ・ニポカリマブを投与された患者の 52% では、4 つの投与群すべてで MG-ADL スコアが急速かつ有意かつ持続的に低下 (ベースラインから少なくとも 2 ポイント低下) したのに対し、プラセボ投与群では 15% でした ( p=0.017) ・ニポカリマブを服用している患者の IgG 減少と臨床効果の間に統計的に有意な関係が観察されました (p<0.0001) ・ニポカリマブ投与群の 4 つすべての患者は、MG-ADL スコアの急速な低下を示し、2 週間以内にベースラインから臨床的に意味のある変化を示しました。 ・ニポカリマブ (M281) は gMG 患者において忍容性が高く、安全で効果的でした。ニポカリマブに関連した重度または重篤な有害事象はなく、ほとんどの有害事象は軽度と特徴付けられた ・研究結果は、gMG および皮下製剤の用量選択における継続的な臨床開発を支持しています。 ----- 第2相段階では、重度又は重篤な有害事象はないとのことなので、この調子で開発が進んで、新しい治療薬が何年後かに登場すると嬉しいです。